研究・開発職

すべては患者さんの医療につなげるために。
製造と臨床、両方の現場を見据えて
開発に取り組みます。

小島 佳奈子

診断薬研究

診断薬事業本部生産・R&Dセンター研究開発部試薬開発第1グループ

小島 佳奈子

2018年入社

私の仕事

体外診断薬のうち、主にラテックス免疫比濁法(LPIA法)を用いた試薬の開発を担っています。表面上に抗体を結合したラテックス粒子は、検体中の目的抗原と抗原抗体反応を起こし、検体中の抗原濃度に応じて、一定時間が経過すると凝集塊を形成します。この凝集塊の形成過程を吸光度変化で検出するのがLPIA法です。簡便で迅速に検出でき、コストも比較的安いのが特長です。汎用自動分析機にも試薬を搭載することができるため、販路の拡大を望むことができます。
私はこの開発プロジェクトにおいて、新規項目の試薬開発や既存試薬の改良等を担当しています。試薬の設計に取り組むとき、臨床検体とうまく反応するか、目標性能を満せるか、特許は取れそうか等、目先のわかりやすい成果に気を取られがちです。しかし、あらゆる製造現場で安定生産でき、かつ、すべての臨床現場でトラブルなく正確に使用できる試薬を開発することも私の大きなミッションです。試薬設計は、一人ひとりの患者さんの医療につながるスタート地点。その責任を全うするべく、原料や、製造設備など、さまざまな要素にも配慮しながら研究に取り組んでいます。

キャリアステップ

1年次は既存のラテックス試薬の改良に携わりました。2年次は、ラテックス試薬の新規項目の技術検証を行い、高感度試薬(化学発光試薬)に近い性能を引き出すことができました。現在は非特異反応への対策を検討しています。

2018年
入社
2018年
研究開発部 既存試薬の改良(ラテックス試薬)を担当
2019年
研究開発部 新規試薬の技術検証(ラテックス試薬)を担当

入社動機

母をがんで亡くした経験から、学生時代に修めた癌治療の専門知識を活かして、診断薬・製薬業界の研究開発に従事したいと希望していました。当社は診断薬開発と臨床検査の両方を行っているため、より臨床現場に近い観点で研究に取り組むことができるのではと期待し、入社を決めました。

仕事の面白さ

試薬設計では、臨床検体とうまく反応しないことや目標性能を満たせないこと、さらにはそれらのバランスをとって最適な解を導くことが難しい局面が多々あります。そのようなときには、自分の頭と手をフルに動かし続けます。仮説と実証実験を繰り返し、“産みの苦しみ”を乗り越えてようやく答えを導くことができた時は、純粋に楽しく、達成感でいっぱいになります。

今後の目標

自身が開発した新規項目の試薬を世に出すことが目標です。病気の早期発見に貢献できる試薬を開発し、自らの仕事に自信と誇りを持てるようになりたいと思っています。そのために、さまざまな解析手法や知識を身につけながら応用力を磨いています。
また、与えられた研究テーマではなく、新たな研究テーマを提案することにも注力しています。これまでに課題提起したテーマについては、いずれも「製品展開への見込み有」という評価を得ることができ、実際に市場調査まで進んでいるものもあります。
学会等で最新の市場動向に関する情報を仕入れ、将来の売り上げ規模や特許申請を視野に入れて開発に取り組むのは、非常にダイナミックでやりがいがあると感じています。今後は国内市場のみならずグローバルなテーマにも取り組んでいく必要があるため、海外のビジネスパートナーと活発に議論するための語学スキルを身につけていきたいです。

メッセージ

当社の自慢は、入社年次にとらわれず率直に意見を言い合うことができるアットホームな雰囲気です。忙しいときは助け合い、何か問題が起きたときは一緒になって考え、解決していくチームワークがあります。また、さまざまな専門分野に習熟した先輩社員が集まっているので、多角的な視点から意見をもらうことができ、非常に勉強になります。
研究開発という仕事は、大学での研究とは大きく違い、医療を支えるという大きな責任を預かる立場です。医療に真摯に向き合い、貢献したいという熱い思いを持っている方は、ぜひ当社にエントリーしてください。